はじめに
「1年後、2年後には少しづつ給料も上がるだろうし、今買っちゃおう!」
そんな甘い見通しで20歳のときに車をローン購入した私。
しかし数年後、残ったのは“後悔”と“思った以上の出費”でした。
この記事では、私自身のリアルな失敗談をもとに、「ローンの落とし穴」と「後悔しないための選び方・考え方」を夫婦視点で解説します。
これから車の購入を検討している方、ぜひ参考にしてみてください!
若気の至り?私が20歳で新車ローンを組んだ話

中古車には抵抗あり…まさかの「頭金ゼロ×7年ローン」
私が初めて車を買ったのは、まだ20歳の頃。
再就職したばかりで手取りは月16万円ほど。田舎での一人暮らしにとって、車は生活の必需品でした。
最初は家族から譲ってもらった、実家で使用頻度の少ない車に乗っていました。
けれど、その車はすでにかなりの距離を走っていて、あちこちが劣化。
修理の連続にうんざりして、「もう自分の車を買ってしまおう」と決意します。
今思えばちょっと無謀でしたが、家族がみんな新車派という環境で育ったこともあり、私も「車は新車で買うもの」と思い込んでいたんです。
さらに、当時は最新モデルの車に心を奪われていて、中古車には抵抗がありました。
そんな中で選んだのが、マツダのデミオ。
頭金ゼロ、7年のステップアップローンで、月々の支払いは最初1万5千円から。
「このくらいなら払えるかも」と思ってしまったんですね。
将来的には給料も上がるだろうと甘く考え、維持費や総返済額のことまでは深く想像できていませんでした。
支払い金額が増えるステップアップ型プランの罠
私が選んだのは、支払いが年々上がっていく「ステップアップ型」のカーローンでした。
初年度から2年間は月々15,000円、3・4年目は25,000円、そして5年目以降は月45,000円にアップ。
さらに、ボーナス月には毎回7万円の支払いが年2回。
最初の支払い額だけを見ると「これならいける」と思ってしまうんですよね。
けれど、実際に年月が経つと、支払い額は増える一方で、車検やメンテナンスなどの維持費もじわじわかかってきます。
最初は余裕だと感じていたローンが、気づけば家計をじわじわ圧迫する存在になっていました。
特にきつかったのは、支払いが増えるタイミングと、生活の変化や急な出費が重なったとき。
「今このタイミングで!?」と思うようなことが続き、後悔の気持ちがどんどん強くなっていきました。
「そのうち収入も上がるだろう」という楽観的な見通しで組んだローンは、もし収入が思ったほど増えなければ、ただの大きな負担です。
支払いが年々増えていく前提のプランは、本当に慎重に選ぶべきだと、今なら強く言いたいです。
ボーナス払いも地味にキツかった
ボーナス月に年2回、7万円を支払うプランにしていたのですが、これが想像以上にキツかったです。
最初は「良い条件の会社に再就職できたし、ボーナスから出すから何とかなる」と思っていました。
けれど、実際には年2回と言えど毎回7万円の出費は大きく、ボーナスの喜びは一瞬で消えます。
ほしい物を買う余裕も、貯金に回す余裕もなく、「ほぼローンに消えたな…」「むしろ貯金が減った」という感覚でした。
さらに厄介なのが、ボーナスが想定より少なかったときや、急な出費が重なったとき。
「今回の7万円、どうやって払おう…」「貯金からしか払えない」と焦ることもありました。
月々の支払いだけでなく、こうした予想よりと異なった定期的な負担が積み重なることで、精神的にもかなりプレッシャーになります。
ボーナス払いを組み込むなら、たとえボーナスがなくても支払いができる状況か、余裕を持って資金管理ができる人でないと、後から苦しくなります。
見落としがち!ローン以外にかかる「維持費」
車検・保険・税金…想像以上にお金が飛ぶ
車を買った直後は、ローンのことばかりに意識が向きがちですが、実際には「維持費」がじわじわ家計を圧迫してきます。
まず大きいのが2年に1度の車検代。
安くても10万円前後、車種によっては15万円を超えることもあり、2年ごとのまとまった出費はとにかく痛い…。
しかもそれに加えて、自動車保険や自動車税といった毎年の固定費も地味に効いてきます。
任意保険に加入していると、年間数万円が飛んでいくのも当たり前です。
さらに、夏冬のタイヤの交換(パンク時など)・バッテリー・オイルなどの定期的なメンテナンス費用も見逃せません。
これらは急な故障や劣化で予定外のタイミングで発生することも多く、家計の予備費を圧迫します。
こういった維持費は、車を所有している限り「必ず」かかるもの。
ローンを返している途中だと、これらの費用が重なって本当にしんどく感じる時期が出てきます。
だからこそ、「車を買う=維持費との戦いが始まる」という感覚で、最初から見積もりに入れておくことがとても大切です。
「ちょっと遠出」でガソリン代がかさむ
最初のうちは、車を手に入れた喜びから「せっかくだし、ちょっとドライブでも行こうかな」と、気軽に遠出することが増えました。
田舎暮らしだったこともあり、出勤時などの移動は基本すべて車。
片道30分〜1時間の移動なんて当たり前。週末になれば高速道路を使って友人に会いに行くことも。
でも、あとから気づいたのがガソリン代の重さです。
数百円だろうと思っていた「ちょっとした遠出」が積み重なると、1ヶ月で1万円~2万円かかった時もありました。
特にガソリン価格が高騰している時期は、1回の給油で軽く5,000円〜7,000円。
車に乗ること自体が楽しみだったはずなのに、だんだんと「また減ってる…」とメーターを見るたびにため息が出るように。
ローンや維持費と合わせると、ガソリン代も家計への影響は侮れません。
車を買うと「自由に出かけられる!」という嬉しさの反面、行動のたびにお金がかかるという現実もあるのだと実感しました。
結局、貯金が貯まらない現実
毎月のローンに加えて、車検や保険料、ガソリン代、急な修理費まで重なってくると、当然ながら家計は圧迫されていきます。
手取り16万円ほどの中から家賃や生活費を捻出し、そこに車関連の出費も加わるとなれば、貯金にまわせるお金なんてほとんど残りません。
「今月こそは少しでも貯金しよう」と思っていても、毎月何かしらの出費に追われて断念。
ようやく少しお金が貯まったかと思えば、車検やタイヤ交換などの“突然必要になる支出”で一気に消える。
さらに、妻と同棲を始めて生活が楽になったと思った矢先、ステップアップローンで支払い額が増え、またカツカツ状態で生活にゆとりがなくなり、ボーナスもすべて車に消えていく……そんな毎日を繰り返していました。
車を持っている安心感と引き換えに、将来の安心を削っていたのだと、今になって思います。
計画的に貯金をしたいなら、車のある生活にはそれなりの「余裕」が必要だと痛感しました。
「売却すればなんとかなる」は甘かった
ローン残債と売却価格のギャップ
当時、お金が本格的に厳しくなってきて「もう車を手放そうか」と本気で考えた時期がありました。
でもいざ査定してもらうと、売却額がローンの残債を大きく下回っていたんです。
たとえば、まだ残りの支払いが150万円以上あったのに、車の査定額は70万〜90万円ほど。
つまり、売ったとしても60万円以上の借金が手元に残ることになります。
「売れば解決」と思っていたのは、完全に甘かった。
特に、長期ローン×新車購入という組み合わせは、車の価値が急激に下がるため、
数年乗っただけでも“資産”というより“負債”に近い感覚になります。
しかも、ローン残債は待ってくれない。車を手放しても、支払い義務は消えないのです。
この現実を目の当たりにした時、ようやく「買う時点での見通しが甘すぎた」と深く反省しました。
数年経って結構払ったと思ったらほぼ金利!?
ローンの支払いが数年経った頃、「だいぶ返済進んだかな」と思って残高を確認してみると――衝撃。
「まだこんなに残ってるの?」と思わず声が出るくらい、元本がほとんど減っていなかったんです。
そう、最初の数年間に支払っていたお金の多くは“金利”だったんです。
ステップアップ型ローンだったこともあり、最初の月々1.5万円や2.5万円の支払いの大部分が利息に回っていて、元本はほんのわずかしか減っていなかったという事実。
「支払ってる感」はあるのに、実際は“借りた額”自体がほとんど減っていないなんて、やるせなさしかありませんでした。
この経験から学んだのは、ローンを組むときは「総額でいくら返すことになるのか」「金利でどれだけ損をするのか」をきちんと見ておくこと。
月々の支払い額だけで安心するのは、本当に危険です。
同じ失敗をしないために!後悔しない車の買い方&心構え5選
頭金ゼロ・長期ローンは避け、ローンは銀行で組み直そう
当時の私もそうでしたが、目の前でピカピカの新車を見せられ、「頭金がなくても乗れますよ!」なんて言われると、つい気持ちが揺らいでしまうものです。
月々の支払いが少なく見える「7年ローン」や「ステップアップ払い」は、一見すると余裕があるように感じます。けれど、実際には支払い期間が長くなればなるほど、金利の総額は大きくなります。
さらに、頭金ゼロ=フルローンということになるため、初めから高い金利がまるまる上乗せされてしまい、結果として返済総額が大きく膨れ上がるリスクがあります。
私自身も、「結構返してきたはず」と思っていたのに、冷静に見直してみると、利息ばかりを払っていたという衝撃の事実に気づかされました。
加えて、長期ローンのままだと、途中で車を売りたくなった時に「残債が足りない」問題が発生しやすく、次の車への乗り換えもスムーズにできなくなります。
こうした事態を避けるためにも、ローンを見直すなら銀行ローンの検討がおすすめです。ディーラーローンに比べて金利が低く設定されていることが多く、総返済額を抑えられる可能性が高くなります。
もちろん、審査や事務手続きの手間は増えますが、それを乗り越えるだけの経済的メリットがあると、今では感じています。
新車を買う場合は、頭金をしっかり用意し、ローンはなるべく短期間+低金利+後述するリセールの良い車――これが、私のように後悔をしないための基本スタンスだと今は思っています。
「維持費込み」で総額を考える
車を買うとき、多くの人は「月々のローン返済額」ばかりを見てしまいがちです。
でも本当は、それだけでは済みません。
実際には、毎年の自動車税、2年ごとの車検、任意保険、ガソリン代、オイル交換やタイヤ交換など、乗り続けるためには多くの“維持費”がかかってきます。
たとえば、コンパクトカーでも年間で 10万〜15万円以上 の維持費がかかるケースもあります。
これをローン返済とは別に毎月分散して考えれば、実質的な出費は「+1万円以上」と見ておく必要があります。
私も購入当初はこの「維持費」をガソリン代以外全く視野に入れておらず、車検や保険の時期にドンと出費が重なり、毎回お金が吹き飛ぶ感覚を味わいました。
貯金が貯まったと思ったらすぐ消える――この繰り返しに、精神的にもかなり参ります。
だからこそ、車を買う時は「維持費も含めた総額」をイメージしてから判断するのがとても大事です。
ローン返済だけに目を奪われず、冷静にシミュレーションしておくことで、「買ったあとに後悔…」を避けることができます。
目的・生活スタイルに合った車を選ぶ
車を買うとき、「せっかくならカッコいい車に乗りたい」「家族が増えるかもしれないから大きめを…」と、少し見栄を張ったり結構先の将来を見越してオーバースペックな車を選んでしまいがちです。
でも、その選択が後々の負担になることも少なくありません。
私自身も、最初の車選びで「新車×月々が安い長期ローン×スタイリッシュな見た目」でマツダのデミオを選びました。
けれど、当時は一人暮らしで、お金も無かったので一時的には費用が掛かっても前の車を修理して乗っておくべきでした。
正直、車を購入するにしても燃費重視&税金の安い軽自動車や型落ちの中古車でもよかったのかもしれません。
車は「買うとき」よりも「持ち続けること」のほうがずっとお金がかかります。
だからこそ、見栄だけで考えずに今の生活スタイルにしっかり合った車を選ぶことが、総支出を抑える一番の近道です。
背伸びせず、「ちょうどいい車」を選ぶことが、生活とお金の両方を守るコツだと、身をもって感じました。
以下は車選びの一例です。参考にしてみてください。
- 一人での移動が多く、通勤や街乗りメイン。デザインも気にしたい
- 取り回しがしやすく、金銭的に維持費も安く納めたい
- 荷物をたくさん積める実用性重視の車がほしい
- ベビーカーや荷物を乗せれるファミリーに人気広い車で費用を抑えたい
- 費用が少し掛かっても人や荷物を乗せれる広い車
- 費用は多少掛かるけどデザインにもこだわりつつ、大きい車がいい
- 予算に余裕はあるので質感の高い車に乗りたい
- 休日しか乗らない? 単発的な費用と維持費を天秤にかけてレンタカーという選択肢も
中古車にするorもしくはレンタルやカーシェアも視野に入れてみる
「買わない選択肢」や「中古を選ぶこと」も、十分に合理的な判断だと私は思います。
特に、使用頻度がそれほど高くない場合や、通勤・買い物など短距離移動が主な用途であれば、ローンを組んで車を購入することがコスパ的に微妙なケースも少なくありません。
中古車であれば、同じグレード・装備でも新車より数十万円安くなったり、年式が数年前の車両になるだけでも100万円近く安くなることもあり、数年落ちでも状態の良い車はたくさんあります。
信頼できる販売店や、メーカーの認定中古車を選べば、品質面でも大きな心配は少ないでしょう。
また、近年はレンタカーやカーシェアリングのサービスも充実しています。
地方ではステーションの数が限られている場合もあるため、利用の可否は地域によって異なりますが、以下のような人にはレンタカーやカーシェアという選択肢も十分アリだと思います。
- 休日だけ車が必要な人
- 年に数回しか使わない人
- 車の維持費をかけたくない人
必要な時だけ借りることで、保険・税金・車検・駐車場代などの固定費を丸ごと削減できるため、購入するよりもトータルで安く済むことも多いです。
リセールバリューを意識した購入が賢い
車を購入する際は、「数年後にどのくらいの価格で売れるか=リセールバリュー」を意識しておくことも重要です。
一般的に、新車は購入直後の価値下落が最も大きく、3年で30~50%近く下がることも珍しくありません。一方、中古車はすでに価格が落ちている分、購入価格と売却価格の差が小さく、リセール“率”で見ると非常に効率が良いケースが多いのです。
たとえば、3年落ちの中古車を180万円で購入し、さらに3年後に120万円で売れれば、60万円の損失で済みます。対して新車で300万円の車を買って同じように180万円で売ると、120万円の損となります。この差は、後々の家計に大きく影響してきます。
最近では、新車であっても「アルファード」や「ランドクルーザー」など、需要の高い人気車種はリセールが非常に良いとされており、中古でも高値がつきやすい傾向があります。とくに国内外での人気が高い車は、買取市場でも価値が下がりにくいです。
ただし、こうした人気車種は盗難のリスクも高くなるという側面も。とくにランクルやアルファードは、盗難件数の多い車種としても知られており、防犯対策を怠ると精神的な不安につながる可能性もあります。
まとめると、リセールを重視するなら「中古車」や「人気の高い定番車種(白・黒・パール色・メーカーのイメージ色など)」を選ぶのが堅実。
ただし、リセール性とリスク(盗難や維持費)を天秤にかけたうえで、自分に合った車種選びを心がけるのがベストです。
まとめ|ローンを組む前に見直したい“お金と暮らし”の優先順位
車は生活を豊かにしてくれる反面、大きな負担にもなり得る買い物です。
特にローンで購入する場合、「今払えるか」だけではなく、「何年後まで払い続けられるか」を冷静に見極めることが何より大切です。
若いうちにしか得られない楽しみや体験もあるため、すべてを我慢すべきだとは思いません。
でも、「欲しいから」と勢いでローンを組んでしまうと私のように後々までその影響が尾を引くため、本末転倒となってしまいます。
だからこそ大切なのは、「お金と暮らしの優先順位」を一度立ち止まって見直すこと。
• 将来の収入や生活の変化を見据えて、無理のない返済プランを組めているか
• ローン以外の維持費や突発的な出費も考慮に入れているか
• 「見栄」や「勢い」で選んでいないか
• もし車を手放すとしたら、売却でどの程度戻るか(リセールバリュー)
こうした視点を持つだけでも、後悔のない選択につながるはずです。
欲しいものを手に入れることと、安心して暮らし続けることは、両立できます。
だからこそ、“今”の気持ちと“未来”の自分、どちらにも優しくなれる買い方を選びましょう。

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