妊娠したけど会社に伝えづらい。そんな人は「母健連絡カード」を活用しよう

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妊娠をすぐに職場へ伝えづらい理由とは?

妊娠がわかっても、職場への報告はすぐにできるものではありませんよね。
つわりで体調が悪くても、職場に迷惑をかけたくない・上司に言い出しづらい・まだ安定期ではない…など、さまざまな事情から報告をためらう方は少なくありません。
しかも、つわりなどの症状は妊娠初期から来ることが多く、安定期まで会社に伝えるのを我慢するというのもなかなか精神的にも、体調的にも大変だと思います。

ですが、妊娠初期から体調の変化は大きく、我慢を重ねてしまうと母体や赤ちゃんにリスクが及ぶこともあります。
そんなときに役立つのが、医師の指導内容を職場に適切に伝えるための公的な書類「母性健康管理指導事項連絡カード」です。※以降「母健連絡カード」と略称で記載します。

今回の記事では、そんな母健連絡カードについて発行の仕方や使用方法をお伝えします。

「母健連絡カード」って何?どこでもらえるの?費用は?

「母健連絡カード」は、妊娠中や出産後の女性労働者が、職場に対して医師の指導内容を適切に伝えるための公式な連絡書です。

どこでもらえるの?

厚生労働省のホームページからダウンロードが可能です。
筆者は妊婦健診の際に助産師さんから「こういったカードもあるので、休みづらい職場などで必要があればお声がけください。」と教えていだたきました。

発行してもらう際の費用目安は?

病院によって異なりますが、目安として2000円前後と一般の診断書よりも安く設定されている傾向があるようです。
詳しい金額が気になる方は、自身が受診予定の病院へ電話で確認してみてください。

どんな作業が制限される?

このカードは以下のような作業に対して制限をかけてもらうことができます。
詳しくは厚生労働省の公式ページどんな症状や作業に制限ををすることができるのかを確認してみてください。

  • 勤務時間の短縮
  • 長時間の立作業
  • 同一姿勢を強制される作業
  • 腰に負担の掛かる作業
  • 寒い場所での作業
  • 長時間作業場を離れることのできない作業
  • ストレス・緊張を多く感じる作業

カードは医師または助産師が記載してくれて、職場に提示することで適切な就業上の措置を受ける権利が生まれます。
母子手帳の交付時に説明を受けることもありますが、必要な場合は産婦人科の医師の方などに直接相談して発行してもらうことができます。

どうして“カード”があると伝えやすくなるの?

妊娠中でも、体調や勤務に関する配慮を自分の言葉でうまく伝えづらかったり、相談相手が男性上司や年配の方だとなかなか理解を得られにくい場合も少なからずあると思います。
「職場に迷惑をかけてしまうかも?」「甘えていると思われたらどうしよう」――そんな気持ちから、必要なことを遠慮してしまう方も少なくありません。

そんなときに役立つのが、「母性健康管理指導事項連絡カード(通称:母健連絡カード)」です。
これは、医師からの指導内容を職場に客観的かつ正式に伝えるための書面で、心理的なハードルを大きく下げてくれます。

たとえば、「医師から、カードに記載された指示を受けました」と伝えながらカードを提示するだけで、双方に次のようなメリットがあります。

• 「これは医師の判断によるものです」と明確に伝えられる
• 書面に基づくため、職場も対応しやすい
• 感情的なすれ違いや誤解を防ぎやすい

“診断書ほど堅苦しくないけれど、確かな根拠がある”――
そのちょうど良い距離感が、このカードの大きな魅力です。
妊娠中の働く人にとって、まさに頼れる味方となってくれる存在です。

会社へ報告するときの具体的な使い方・渡し方

母性健康管理指導事項連絡カードは、以下のように職場(上司または人事担当者)にそのまま提出する形で使います。
具体的には以下のような流れです:

1. 妊娠中・出産後に医師または助産師に相談し、カードへ記載してもらう

2. 主治医が通勤緩和や勤務時間短縮の措置が必要と判断した場合、必要な事項を記入し渡します。
※念の為コピーを取って控えを保管しておきましょう。

3. 職場の担当者に提出(原本 or コピー)
4. 内容に応じて勤務環境や業務の調整を依頼

どうしても口頭では伝えにくいときは、「医師からこういう指導が出ましたので…」とカードを見せることで、スムーズに配慮をお願いできます。

書面があることで、職場側も就業規則や労働安全衛生法に基づいた対応がしやすくなります。

会社に伝えるメリットと、早めに話しておくべき理由

妊娠初期はまだお腹も目立たず、見た目ではわかりづらいですが、実はもっとも体調の波が大きい時期とも言われています。
筆者も実際に妊娠した際は、中期や後半よりも初期に来るつわりが大変だったと感じました。
そのため、早い段階でカードを通して職場に伝えておくことで、次のような対応をしていただいたこともありました。

• ラッシュ時の通勤配慮
• 重い作業の回避
• 頻繁な休憩が必要なときの調整
• 突然の体調不良への柔軟な対応 等々…

会社側にとっても、カードがあれば適切に対応するための根拠ができ、トラブル防止にもつながります。
“迷惑をかけないように”と無理をしてしまうよりも、“カードを通して伝える”という形にすることで、自分と赤ちゃんを守る行動につながりますので、積極的に利用しましょう。

まとめ|伝えづらいときは「母性健康管理カード」を味方に

妊娠中は、見た目では分かりにくい不調や、不安を抱えながら仕事を続けていく時期でもあります。
でも、自分の体とお腹の赤ちゃんを守るために、職場に配慮を求めることは、決してわがままではありません。

「母性健康管理指導事項連絡カード」は、そんな妊婦さんの気持ちを医師の言葉として正式に伝えてくれる“お守り”のような制度です。
言葉にしにくい状況でも、このカードがあることで、自分の状態を適切に理解してもらうことができます。

「まだ言い出す勇気が出ない」「どう伝えればいいか分からない」と悩んでいる方は、
ぜひこのカードの力を借りて、無理のない働き方への第一歩を踏み出してみてください。

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