この記事で伝えたいこと
「東京に住めば、きっと毎日が便利で快適だろう」
そんな期待を胸に、私は会社の家賃補助にも魅力を感じて山形から初めて東京都内に引っ越しました。
選んだのは台東区浅草。駅からも近く、アクセスは良好。
徒歩でなんでも済ませられると思っていたし、車は手放してコンパクトな暮らしに切り替えるつもりでした。
でも、実際に住んでみて感じたのは、「便利そう」というのは妄想で、実際は快適さが激減しているなという感覚でした。
- 車を手放したことで、移動や買い物の自由度が一気に下がった
- 観光地エリアならではの騒音やマナーの違いにストレスを感じる日々
- 家賃補助の金額以上に「快適さ」を犠牲にしていたと気づいた
こうした経験を経て、今は「次に住むなら、東京近郊の県外でもっと自分に合った生活スタイルを」と考えるようになりました。
このブログでは、そんな実体験に基づく「立地選びの後悔と気づき」をお伝えしつつ、これから東京近辺に引っ越そうとしている方に向けて、少しでも参考になればと思います。
都内に住めば便利?そう思っていた引っ越し前

東京への引っ越しを決めた当初、私は迷わず「都内の駅チカ物件」を探しました。
理由はシンプルで、「駅が近ければどこへ行くにも困らないし、都内なら徒歩でもなんとかなるはず」と考えていたからです。
さらに、会社から家賃補助が出るという話もあり、「せっかくなら都内で暮らした方が得かもしれない」と思うようになりました。
これまで車を持っていたこともありましたが、「東京なら電車が発達しているし、車はいらないかも」と判断し、車も手放すことにしました。
当時の私は地方での暮らししか経験がなかった為、「駅チカ+家賃補助=最高の引っ越し条件」と感じていたのです。
たしかに、条件だけを見れば悪くはありません。駅から近いし、家賃の負担も軽減される。むしろ周りからは「いい場所に住んでいるね」と言われるような立地でした。
でも、暮らしてみて初めてわかった「不便さ」と「違和感」が、少しずつ積み重なっていったのです。
台東区に引っ越してから見えた「暮らしの現実」
何をするにも「徒歩」か「電車」…?
実際に台東区での生活が始まってみると、思っていたよりも「徒歩と電車の移動」が中心になる日々に、じわじわと不便さを感じ始めました。
買い物一つにしても、「ちょっとまとめ買いをして車でサッと帰る」なんてことはできません。
重い荷物を持って歩くか、電車に乗って帰るか。もしくはお金を払ってタクシーを活用するか。
選択肢が限られていることで、出かけるのが億劫になることも増えていきました。
車を持っていた頃は、気軽にホームセンターへ行ったり、遠くのショッピングモールに足を伸ばしたりしていたのですが、都内の暮らしではそういった行動がガラリと変わりました。
「都内だからこそ、行動の自由度が制限されている」という皮肉な感覚すら覚えるようになったのです。
観光地ゆえの“人の多さ”と「騒音」
そしてもう一つ、想定外だったのが「観光地としての賑わい」でした。
住んでいたエリアは観光地から多少離れた場所でしたが、それでも海外からの旅行客も多く、週末や連休になると街中は常に人であふれていました。
歩道やお店の中ではマナーの違いに戸惑うこともしばしば。
特に夜間の騒音や、歩きタバコ、ゴミの放置などが目につくようになり、日常生活の中で小さなストレスが積み重なっていきました。
当たり前ですが、旅行者にとっては非日常の「特別な場所」でも、私たち住民にとっては「生活の場」。
そのギャップが思っていたよりも大きく、次第に「ここは暮らすには落ち着かないかもしれない」という気持ちが強まっていきました。
会社の家賃補助は魅力だったけど…
金額より「暮らしやすさ」が大事だったと実感
引っ越し当時、浅草の物件を選んだ理由の一つが、会社からの家賃補助でした。
都内で家賃が高騰する中で、補助があることは正直ありがたく、家計的にも助かるという思いがありました。
「都内で、駅チカで、補助も出る」——この条件だけを見ると、まさに理想的な引っ越し先に思えたのです。
でも、実際に暮らしてみて気づいたのは、「お金では測れない暮らしの質」があるということ。
たとえば、観光客が多くてスーパーが常に混雑していたり、深夜でもパトカーや車の騒音で目が覚めたり…。
他にも不運は重なり、マンションの隣の部屋に外国の方が住み始め、足音や夜間の話し声が気になったりしました。
そうした日常的なストレスは、家賃補助で浮いたお金ではカバーしきれないものでした。
また、車を持てなくなったことで、移動の自由度が下がり、レジャーや買い物の選択肢が狭まったことも、結果として「便利さ」を損なっていたように思います。
つまり、「経済的にお得な条件」があっても、本当に自分に合った暮らし方ができなければ、結果として「損」になることもあるという現実に気づかされました。
次の引っ越し先は「東京近郊の県外」で考えている理由

今、もし再び引っ越すとしたら、私は都内にはもうこだわらないと思います。
むしろ、次に目指したいのは「東京に近い県外の街」で、車のある暮らしを取り戻せる場所です。
電車で東京駅・新宿駅まで1〜1.5時間の距離感
もちろん、仕事の都合上、都内へのアクセスが完全に不要になるわけではありません。
ただ、電車で1時間〜1時間半ほどで主要駅(東京駅・新宿駅など)に行けるのであれば、それはもう十分通勤圏です。
実際、埼玉・千葉・神奈川の一部には、比較的落ち着いていて家賃も手頃な住宅地が多くあります。
混雑の激しい都心とは違い、静かな環境で、日々の暮らしにゆとりを持てる地域もたくさんあります。
再び「車のある暮らし」で日常の快適さを取り戻したい
何よりも惹かれるのは、車を持てる生活の選択肢が広がることです。
- 週末にまとめ買いをして、大きな荷物もラクに運べる
- 子どもができたときにも安心して移動できる
- 大きな公園や郊外のショッピングモールに気軽に行ける
こうした「日常の中にある小さな自由」が、私にとっては暮らしの快適さを大きく左右する要素なのだと、浅草での生活を通じて強く実感しました。
つまり、「都内かどうか」よりも、「自分にとって本当に心地よい生活スタイルが実現できるかどうか」。
この視点で、次の住まいは選びたいと考えています。
立地選びで後悔しないためのポイント
今回の引っ越し経験を通じて感じたのは、「立地」は物件選びの中でもっとも重要な要素だということです。
間取りや築年数、家賃の安さなどに目がいきがちですが、日々の生活に密接に関わってくるのは、結局“場所”なんですよね。
「都内=便利」という思い込みに縛られない
私はずっと、「都内に住めば便利」というイメージを持っていました。
でも実際には、都内だからこそ人が多く、騒がしく、車も持てず、自由な行動が制限される側面があることに気づかされました。
便利さの定義は人それぞれ。
駅が近い、電車の本数が多いといった「都市的な便利さ」が合わない人もいるはずです。
私にとっては、「静かで落ち着いた環境で、自分のペースで生活できること」が本当の「便利」だったのだと思います。
自分の「暮らし方」に合う場所を選ぶことが大切
通勤・子育て・買い物・趣味の時間……。
暮らしのスタイルによって、必要な「立地の条件」は大きく変わります。
- 静かに暮らしたい人には、観光地は不向きかもしれません
- 車を使いたい人には、駐車場のない都心部はストレスかもしれません
- 仕事中心の人には、職場近くの駅チカ物件がベストかもしれません
だからこそ、「みんながいいと言っているから」ではなく、「自分の生活に本当に合うか?」「自分の生活スタイルは?」をしっかり考えることが、後悔しない立地選びにつながります。
メリットだけじゃなく「住んだ後の想像」をしておく
最後に強くおすすめしたいのは、「住んでからの1日」をリアルに想像してみることです。
- 朝はどの駅から通勤する?
- スーパーはどこ?混んでる時間帯は?
- 週末、気分転換したくなったらどこへ行く?
- 夜の騒音や治安はどうだろう?
紙の上の条件では見えない「暮らしの実態」を、少しでも事前にイメージしておくことが、ミスマッチを防ぐ最大のコツだと感じています。
まとめ|住んでみないとわからないからこそ、広い視点で考えよう
引っ越しというのは、人生の中でも大きな選択のひとつです。
「家賃補助があるから」「都内の方が便利そうだから」といった「表面的な条件」に引っ張られて選んだ住まいでも、実際に住んでみると、思ってもみなかった暮らしにくさを感じることがあるというのが、今回の私の実感でした。
浅草というエリアは、観光地としての魅力にあふれています。
でも「暮らす場所」として見たときには、騒音や混雑、自由な移動手段の制限など、私の求める生活スタイルとは少しずれていたのだと思います。
だからこそ、これから引っ越しを考えている方には、「その街で、どんな日常が送れるか?」を自分の目線で想像することを強くおすすめします。
暮らしやすさは、人それぞれ違います。
「便利そう」「タイパが良さそう」などではなく、「自分にとっての快適さ」を軸に立地を選ぶことが、引っ越し後に後悔しない一番のポイントだと、私は今、強く感じています。
この記事が、同じように地方から関東方面に初めて引越しをされる方などで立地に悩む誰かの参考になれば嬉しいです。

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